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PENTAX67 / FUJIFILM PRO 400H


記録と記憶 - 津波石
大学の卒業研究として取り組んだテーマのうちの1つ。遺構建築や記念碑、津波石などを対象に人が出来事をどのように記録し、後世へ記憶として残そうとするのかを調査。
津波石は過去の災害の痕跡であると同時に、祈りや追悼の対象となり対話を通して人々に記憶を喚起させる。
「合石の津波石」「吉浜の津波石」「羅賀の津波石」の3か所を調査したが吉浜と羅賀は巨石の周りをアスファルトやフェンスにて保護しており、自身がアンチテーゼとして掲げた記録的な扱いを受けていたため、唯一の記憶的存在を保った合石に調査を限り、2度目の訪問でPENTAX67にて収めたときの研究資料。

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合足の津波石。
舗装された林道から外れ、200mほど斜面を下ると現れる巨石。表面には海底にて付着したフジツボの跡が残り、付近には同様の岩場などがないことから明らかに異質な存在感を持つ。

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津波石を手前に見る海岸までの風景。
1896年の明治三陸地震による津波により、海底より約66m内陸に打ち上げられたとされる。遡上高などの記録的な意味に加え、津波の惨状を繰り返さないよう「龍神の石」として地域の祈りの対象となった。

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現地はリアス式の狭い内湾からなる海岸で、立地により来訪者も少ないことから、東北地方太平洋沖地震による津波の残骸とみられるものも多く漂着している。
周囲の針葉樹とは種が異なるであろう流木。表皮の滑らかさや、枝が折れえぐれた幹からは、長い旅路を喚起させる。

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クロマツとみられる流木。海岸線には古くより防災林としてクロマツを植栽してきた歴史があり、人々の生活を海から守っていた。東北地方太平洋沖地震の際には多くのクロマツが津波により海へと流された。
この個体以外、樹皮を残したクロマツの流木は確認することはできなかった。

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倒木した杉の枯れ木。付近には多くの杉が生えている海岸で、陸地の一部は津波により浸食されている。内陸に近い地面は高さ5mほど削られ、それに沿った杉の木は根が露出し枯れている。今にも倒れそうな杉の木はこの枯れ木のように海岸に向かって倒れていく。

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3本の倒木した杉に支えられバランスを保つ大岩。浸食により小さい砂や石だけが徐々に流されていき、地面に埋まっていた岩だけがその場に残ったように見える。
ただ岩の断面には人工的に割った跡が見当たらず、自然の力で割れたとするならばどのような経緯でこの構成に行き着いたのだろうか。

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